2013年06月02日

世界の屋台からC

タイ南部ハジャイ(2010年1月30日)

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マレー半島縦断の旅(タイ〜シンガポール)の途中

バンコクのホアランボーン駅から乗った夜行列車は午後0時25分、定刻通りハジャイ駅に到着。マレーシア・バターワース行きの列車に接続するはずだったが、なぜかその日は列車が出ないということで、翌日のチケットを買い、そのままハジャイに1泊することにした。

マレーシア国境に近いハジャイはイスラムと中華が混在する街。漢字の看板が並ぶビルの間を、スカーフ姿の女性たちが歩く。人々の顔立ちや肌の色も多種多様である。

駅前から都会的な街並みが続く。セブン・イレブンやマクドナルド、黒い高級車で乗りつけるようなホテルもある。漢字の派手な「金行」の看板に興味を引かれるが、何なのか確かめるすべもない。

中心市街地にあるO-DEAN SHOPPINGMALLは昭和50年代の西友やイトーヨーカドーを思わせる造りの商業ビル。6階建ての各フロアに売り場があり、エスカレーターで上り下りする。最上階には軽食コーナー。窓から街並みを見下ろしていると、子どものころ家族で買い物に行った思い出がよみがえり、なんだか懐かしい。
1階のジーンズショップではデニムのパンツが1000〜1500バーツ、Tシャツが500〜1000バーツ。デニムパンツは日本でも売っている有名メーカーの製品だ。

そんなこんなで日が暮れて。
たどり着いたのは、やはり中華の安食堂。
通りに面した屋台で一生懸命に調理するエプロン姿の女性を見て、ここにしようと思った。
屋台で注文し、後ろにある壁のない店のテーブルで食べる。

牛もつ入りきしめん+コーク 55バーツ

料理を運ぶのは2人の少女。
年下の子は中学生くらい。姉妹とみた。
アジアの屋台ではしばしば、子どもたちが働く姿を見かける。
彼らは概して、愛想が良いわけでも悪いわけでもない。
自分に与えられた役割を、ごく当たり前にこなしているという感じに見える。

仕事とは何か。
働くことの意味は。

そんな自問から逃れられない我が身を思う。

屋台の女性は姉妹の母か、ひょっとすると姉かもしれない。
Can I take a photo?
屋台の前でカメラを構えると、彼女は恥ずかしそうに笑った。

通貨レート1円=35.6バーツ(ハジャイ市街地の旅行会社JRTour)



posted by Dandelion at 06:24| 長野 ☁| Comment(0) | 世界の屋台から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月31日

世界の屋台からB

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マレーシアその2

ペナン・ジョージタウン(2010年1月31日)

宿に荷物を置き、夜の中華街をそぞろ歩く。
街のランドマークは「コムタ」という名の円筒ビル。
大阪駅前、梅田のマルビルを思い出す。
中はショッピングモールになっている。
時代の先端から三歩遅れたような懐かしい佇まい。
中野ブロードウェイを彷彿とさせる。
ビルの中も街中と同じく、赤一色。
赤い看板、赤い横断幕、赤い旗・・・
旧正月を祝う飾りである。

一回りして建物を出ると、大音響。
近くの広場でカラオケ大会が開かれている。
歌う人も見物人もみんな楽しそうだ。
正月か。
街の灯りに、旅の孤独が浮き上がる。
盛り上がる人々の脇を通り過ぎ、安食堂が立ち並ぶ通りへ。
静かな路地の一角に、その屋台はあった。

豆漿 1.2リンギット

豆漿、字面でわかるぞ。
というか、看板に書いてあるではないか。
「SOYMILK」
つまり豆乳だ。

ガラスケースの中の白い液体を掬い、ビニール袋に入れて口を締め、ストローを差してくれた。
歩きながら、ひと口。
お、これは。
想像してたのと、なんか違うやん。
冷たくて甘くて、それでいてさわやかな。
今まで飲んだことがない「豆乳」だ。
甘さが残らず、口から鼻に抜けていく。
これは当たりだ。

夜風が路地を吹き抜ける。
道端に腰を下ろし、空を見上げた。
丸い月がくっきり。
チュウチュウ、チュウチュウ。
ビニール袋の豆乳の残りを確かめながら、少しずつ味わう。

今日も暑かった。
疲労と緊張がほぐれていく。
ゆっくり、ゆったり、時がまどろむ。
この夜がいつまでも続けばいいのに。
路地のざわめきが静かに響く。

ペナンの豆乳。
疲れを癒すやさしい味。

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posted by Dandelion at 03:43| 長野 ☔| Comment(0) | 世界の屋台から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月30日

世界の屋台からA

マレーシア(2010年2月2日)

クアラルンプールのチャイナタウンにて

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ペナンから乗ったバスが郊外のターミナルに着いたのは午後9時過ぎだった。
宿探しをしてチェックインを終えてほっと一息ついたらもう11時。
疲労もあり、近くにあった外国人相手の店で済ませることにした。
メニューは英語。どれも割高だ。テーブルの上に置かれたケースのカエルに興味をひかれないではなかったが、勧めに乗るほどの気力も残っていなかった。
メニューの写真を見て、差しさわりのなさそうなものをオーダー。

マレーシアライス 6.5リンギット
ティー 0.5リンギット

料理を待っていると、隣のテーブルでは欧米人とアジア人のカップルがメニューを見ながら交渉を始めた。
カップルは「クラブ」「チキン」などといろいろメニューを見ながら料理の内容について質問しているようだったが、店員は英語を理解しているのかしていないのか、「フロッグ、ベリーナイス」を連発。かみ合わない会話がしばらく続いた。

その後の顛末は残念ながら覚えていない。

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「マレーシアライス」はなかなかのものだった。
要するに焼き飯。
香ばしい湯気が食欲を刺激する。
注文を受けてからその場で炒めるので、出来立てである。
炎の上で中華鍋を自在に動かすおやじの手つきの鮮やかなこと。
食は人を元気にする。
こんな店にも中華の思想が生きている、と感じた。


当時のレート(バターワース駅内の両替所) 
10000円=350リンギット










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2013年05月19日

世界の屋台から@

ベトナム(2009年2月14〜20日)

その1 「ベトナムの熱海」こと、ニャチャンのダム市場にて

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イカ入りお好み焼き(1枚2000ドン)
おばあちゃんがその場で焼いてくれる。
ふたが付いた鉄板に小麦粉を水で溶いた生地を流し込み、具を載せてから挟むようにして1枚ずつ焼く。
香草を巻き、たれをつけて食べるのが基本。
「うまい」と言うと、手振りで「もう1枚」。
間髪入れずに勧められ、立て続けに5枚食べた。
ベトナムでは新婚旅行先として人気があるというニャチャン。
ノスタルジックで居心地の良いビーチリゾートである。


その2 「ベトナムの京都」こと、フエの路上にて

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肉まん(1個7000ドン)
声を掛けてきたおじさんの熱意に負けて思わず発注。

20世紀半ばまでこの地にあった王朝は「阮朝」。
漢字があふれる王宮跡を見て、ここは「中華」の周縁だったのだと実感した。
軒先のテーブルで中国将棋に興じる人たちがいる。
その隣には濃厚で香り高いコーヒーを飲ませる屋台がある。
街には歴史のあれやこれやをすべて飲み込んだ「生活」があった。

あれやこれやが詰まった肉まん。
冷えていたけど、本格的な味がした。

通貨レート:1円−188ドン
posted by Dandelion at 06:17| 長野 ☁| Comment(0) | 世界の屋台から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする