2016年12月31日

信じることと疑うこと、根源に迫る映画の力〜「PK」

映画を見てこれほど満たされた気持ちになったのは、何年ぶりだろうか。心の奥底から揺さぶられるようなエモーショナルな体験、そう、あの黒澤映画「七人の侍」を見た後の感覚に似ている。インド映画「PK」は、言ってみれば映画のフルコースだ。笑いあり、涙あり、恋愛も友情も、歌も踊りアクションも、という盛り沢山の内容。そこに一本の筋が、骨太の信念が、しっかり貫かれている。

宗教とは何か。神を信じることとはどういうことか。言葉や論理を超えた次元に信仰があるとすれば、その超越的で絶対的な「善」の前で、人は黙るしかないのか。しかしその「善」が、もし誰かを傷つけているとしたら・・・。迷える宇宙人「PK」のまなざしを通じて、映画はそのような、人が生きることの根源にかかわる命題に、ぐいぐいと迫っていく。

嘘と虚飾にまみれた宗教指導者の偽善を、PKは言葉と論理によって暴いていく。暴くといっても告発するわけではない。宇宙人であるPKには常識や知恵というものがない。持ち合わせているのはきわめて単純な言葉と論理だけだ。常識や知恵の一部となってしまった不合理は、その常識の内側にいる者には見えない。あるいは、見えたとしても、普通はそこに触れたりしないだろう。「当たり前」が通じないPKだからこそ、おかしいものをおかしいと言えるのである。単純な言葉と論理を無遠慮に突きつけられた時、根拠のない「善」の弱さが浮き彫りになる。

当たり前の疑問が常識を揺るがす。外側の視点が、痛快な笑いを生む。これは、身近な例で言えば、臼井儀人の漫画「クレヨンしんちゃん」の構図だ。あらゆる宗教であふれかえっているインドで、このような映画を作り、発表することは、一つの挑戦であるに違いない。それをコメディに仕立てた点が、この作品のミソだろう。

信じることと、疑うこと。どちらも人が生きるうえで大切なものだ。考えてみれば、両者は何百年も前からせめぎ合ってきた。そのせめぎ合いこそが、学問の歴史ではなかったか。疑うことが許されない世界なんて、ろくな世界じゃない。あらゆる「善」が蔓延し、争い合うような時代、この古くからのテーマがまだまだ有効であり、人間や世界のあり方を測るひとつの基準になるということを、この映画は提示しているように思える。

(長野相生座・ロキシー)
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2016年12月30日

ミッドナイトラントレ日記264 「中11日」

雨だか雪だかみぞれだか、この地の冬特有の、しとしとと降り続ける冬の夜。路面はシャーベット状、滑るので蹴らないようにそーっと足を運ぶ。

午前0時を過ぎても車は多く、人は歩き、街はざわめいている。いよいよ年の瀬。

9.971km
5分34秒/km
55分35秒
677kcal
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2016年12月18日

ミッドナイトラントレ日記263 「発熱する体」

今日も氷点下、勇気を振り絞って家を出る。
それでも2キロほど走ると、体が温まってくるのがわかった。
最後には汗だく、寒さも感じない。
人間の体は、発熱する。
それ自体が、ひとつの機関なのだ。

10.923km
5分9秒/km
56分23秒
729kcal
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2016年12月15日

ミッドナイトラントレ日記262 「マイナス2度、月明かり」

凍りついた空気を、バリバリと砕きながら走る。
路面に映る自分の影で、フォームを確認。
前傾が足りない。
もっと腹を締めて、馬のように脚を畳んで。

9.632km
5分23秒/km
51分58秒
629kcal



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2016年12月09日

ミッドナイトラントレ日記261 「いまを生きる」

ジョン・レノンの死から36年。
「イマジン」を、聴き直してみる。

  「天国はない」と想像してみよう。
  やろうと思えば簡単なこと。
  地獄に落ちることもない。
  私たちの上にあるのは、空だけだ。
  想像してみよう。
  すべての人々が、いま、この日のために生きている、と。

天地、水平にどこまでも広がっていくイメージ。
過去や未来に理想を設定して、そこから現在を意味づけるのではなく、現在そのものに、固有の価値がある。
ジョンが言いたかったのは、こういうことだろうか。
大切なのは、この世に生きる多様な人々、一人ひとりが、想像する力を持つこと。
そんなメッセージが、時代の文脈を超えて訴えかけてくる。

9.836km
4分53秒/km
48分11秒
634kcal


posted by Dandelion at 06:25| 長野 ☀| Comment(0) | ランニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月08日

ミッドナイトラントレ日記260 「もうすぐクリスマス」

気温1度。雨が冷たい。
鈍く光る路面、1歩、1歩、滑らないように。
冴え冴えと輝くのは、建物に施されたイルミネーション。
青や白、なぜ寒色ばかりなのか。
温かい色があってもいい。

7.714km
4分59秒/km
38分33秒
502kcal
posted by Dandelion at 10:10| 長野 ☀| Comment(0) | ランニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月03日

ミッドナイトラントレ日記259 「拝啓、ジャンボ〜ル三世様」

エントリーしながら、参加しなかった11月20日の「扇状地マラソンINにゅうぜん」。
大会事務局から、参加賞のTシャツとゼッケンが送られてきた。
リーズナブルな参加料で、地元の温かさを感じられる大会であることは、昨年ここでリポートした通り。
辞退者一人ひとりに参加賞を送るというのは、大変な作業だと思う。
小規模な大会だからできるのだろうが、送られた側としては地元のこまやかな心遣いが感じられて、なんだか申し訳なくなるほど、うれしい。

「天気が悪そうだし、気が乗らない」という理由にもならない理由で、行けるのに行かなかった自分が、あらためて恥ずかしくなった。
「来年はきっと走りますから」
Tシャツの胸でこちらを見ているジャンボ〜ル三世に、誓ったのであった。

201612030435000.jpg

(注)「ジャンボ〜ル三世」は富山県入善町のキャラクターで、名産のジャンボ西瓜がその名と形状の由来。


10.283km
5分15秒/km
54分3秒
680kcal
posted by Dandelion at 05:43| 長野 ☀| Comment(0) | ランニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月01日

ミッドナイトラントレ日記258 「やりきれない思い」

「生きているものを殺して搬出することに戸惑いがあった。少しでも力になるようにと頑張った」

鳥インフルエンザウイルスが検出された新潟県関川村の養鶏場で、殺処分に従事した県職員の言葉。
県内で飛び火した上越市の養鶏場で処分される鶏は、約23万羽だという。
養鶏場とは、そんなにすごい数の鶏が飼われているものなのか。
普段、何気なく食べている卵が、そんな環境で生み出されているのだ。

われわれは、その点にもっと驚いてもいいのではないだろうか。

9.372km
5分9秒/km
48分17秒
611kcal


posted by Dandelion at 07:03| 長野 ☀| Comment(0) | ランニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする